- ホーム
- 体が変わる食の選び方
質のよい食品を、シンプルにいただく。
いろいろな種類の栄養素をとり入れるために、料理の品数よりももっと大切なことがあります。 それは、生命力の高い、中身のぎゅっと詰まった食材を選ぶことです。
マイ穀の雑穀は、たんに体にいいだけではありません。 毎日続けていくうちに、ごはんそのものだけでなく、健康維持のために役立つ食品・食材・食事を自然と選べる力がつきます。
ここでは、こうした食材を見る目、「食選力(しょくせんりょく)」の秘密とメリットを解説します。
食選力(しょくせんりょく)の基本
やせたい、キレイになりたい、強いカラダになりたい。
このような目的があったとしても、少しでも体によい食材で健康的になりたいと思うものです。その前に、いちばん大切なことをお話しします。それは、「神経質にならないこと」です。
ちまたには食品添加物、農薬、放射性物質など食のリスクを警鐘する情報があふれ、ときに翻弄されることもあるでしょう。
でも、食のリスクに神経質になり、ストレスをためることがもっとも体に悪いのです。
たとえ体に害のあるものが入ったとしても、それを出す排出力があれば、だいじょうぶ。
シンプルな食事にすれば、体によいものは吸収され、悪いものは排出されます。
また、シンプルであるぶん食材の数は自然とこれまでよりも少なくなります。すると、その分だけ食材をていねいに選ぶことが習慣になってくるのです。食選力とは、自分の心と体を美しく元気にする方法。この考えを前提としたうえで、日常の食品選びのコツを4つお伝えします。
食選力のコツ その1
作ってから食べるまでの時間と距離が短いものを選ぶ
よい材料を買ってきて、家で手作りをする。安全でおいしい食事のためには、誰もが理想だと考える方法です。
もちろん家庭以外でも手作りにこだわる店や食品はありますが、一方で手軽さや便利さのために工場で作る食品も増えています。工場の多くは遠方にあることが多く、そこからお店に運ばれてきて陳列されるまでには時間がかかります。その過程で油の酸化が進んだりすることは避けられません。
また、時間が経つことで食中毒などが起きないよう、添加物を加える場合もあります。それは安心、安全のために必要なことですが、反面リスクが増えることでもあります。自分の住まいからより近いところで作られた、作られてからの時間と距離が短い食品を選ぶことがたいせつです。
食選力のコツ その2
原材料がシンプルなものを選ぶ
健康によさそう。ある成分が豊富に含まれている。食品のパッケージや広告には、魅力的なコピーがうたわれています。
しかし、そうした表面からはわからないことが裏面の原材料表示でわかることがあります。原材料表示にはいろいろな原材料や添加物が記されていていますが、専門家でない限り、とてもすべてを理解することはできません。そこで、できるだけ「材料がシンプルなもの」「材料の数が少ないもの」を選ぶようにしましょう。
たとえば、梅干しは本来梅と塩だけで作られますが、最近は健康志向で減塩タイプも増えています。それらは伝統的な作り方でないぶん、甘味料や調味料、保存料などが添加物として加えられていることもあります。神経質になる必要はありませんが、外見より「中身」で選びましょう。
食選力のコツ その3
加工の度合いが少ないものを選ぶ
よい食材は、シンプルに調理して食べるだけで栄養素がしっかりとれ、その分不要なものが体に入るのを妨げてくれます。そのためには、できるだけ加工度の低い食品を選ぶことが重要です。
主食についても同じです。ごはんは、基本的には精米したお米に水を加えて加熱するだけ。ところがパンや麺類は小麦を製粉し、バターや塩、砂糖などを加え、練る工程が加わりますから、加工度はより高くなります。
肉料理でも、たとえばハンバーグを自分で肉をひいて作るのと、店でハンバーグを買ってくるのでは加工の程度は大きく違ってきます。シンプルな食材をシンプルな調理で食べることを意識してみましょう。
食選力のコツ その4
旬の食べ物をまるごといただく
食の考え方のひとつに、「一物全体食(いちぶつぜんたいしょく)」というものがあります。これは、ひとつの食品をまるごと全部いただくことが、もっとも健康によいという考え方です。たとえば、魚なら切り身ではなく頭からしっぽまで食べます。イモやにんじんは皮つきのまま調理し、全部食べます。
栄養素をまんべんなく摂るために、食材の種類を増やそうと考える人もいますが、動物や植物の生命力がつまった食材をまるごと摂ることは、実はさまざまな栄養素をしっかりとバランスよくとるための方法なのです。そのためには、よい食材を選ぶことが必要になりますが、そこでぜひ意識していただいたいのが、食材の旬です。
旬の素材は生命力が強く、栄養価が高く、なによりおいしい。四季を感じながらおいしくいただくことも、食選力を実践するポイントです。